ランドセルを比べていると、大マチ11.5cm、12cm、13.5cm。同じランドセルでも、意外と差があります。
たった1〜2cmですが、6年間使うものなら、「できるだけ大きい方が安心なのかな」と少し気になります。
でも、「ランドセルが小さくて困った」という情報を調べてみると、少し違うことが分かりました。
今回は、大マチの違いと実際の収納例から、ランドセルの容量はどこまで気にした方がいいのかを考えます。
この記事でわかること
- ランドセルの大マチにはどのくらい差があるのか
- 昔はどんな「ランドセルが小さい問題」があったのか
- 現在の12cm前後のランドセルには実際どのくらい入るのか
- 11.5〜13.5cm程度の違いが効くのはどんなときか
- 大容量を積極的に選ぶ意味があるのはどんな家庭か
- 容量以外では、どこを見ると使い勝手の違いが分かるのか
この記事の調べ方
主要メーカーの公式サイトで、現在販売されているランドセルの大マチや内寸を確認しました。
それだけでは、「大きいほど、たくさん入る」という当たり前の話で終わってしまいます。
そこで今回は、実際にランドセルが小さくて困ったのは、何が入らなかったときなのかも調べました。
過去のA4ファイル問題、GIGAスクール開始期のタブレット持ち運び、最近の保護者調査、メーカーが公開している収納実演などを確認しています。
この記事では、小マチや前ポケットなどは詳しく扱いません。まずは、教科書や水筒など大きな荷物を入れるメイン収納部の大マチに絞って見ていきます。
確認日:2026年10月3日
昔は、本当に「ランドセルが小さい」問題があった
ランドセルの容量を気にする話には、ちゃんと理由があります。
以前のランドセルには、A4クリアファイル対応とA4フラットファイル対応がありました。この二つは同じ大きさではありません。
A4フラットファイルの方が大きいため、クリアファイル対応のランドセルでは、斜めにしないと入らない、ファイルの角が曲がる、きれいに収まらない、といった問題がありました。
実際、「上の子のランドセルではA4フラットファイルが入らなくて困ったので、下の子では対応モデルを選びたい」という保護者の声も過去にはありました。
つまり、この時代の「ランドセルが小さい」は、必要な学用品そのものが入らないという、かなり分かりやすい問題でした。
その後、ランドセル側も大型化が進み、横幅はA4クリアファイル対応時代の内寸約22.5cmから、A4フラットファイル対応では約23cmへ広がっています。現在では、A4フラットファイル対応は主要モデルでかなり一般的になっています。
昔の「小さい問題」を、そのまま現在のランドセル選びに持ち込む必要はなさそうです。
GIGAスクール開始期にも、別の「入らない」が起きた
次に大きな変化が起きたのが、2020〜2022年頃です。
GIGAスクール構想によって、小学生にも1人1台のPCやタブレットが急速に普及しました。ランドセル側から見ると、それまで想定していなかった大きな荷物が、突然増えたことになります。
この時期は、端末本体だけでなく保護ケースごと持ち運ぶことも含め、ランドセルへの収め方そのものが新しい課題になりました。2022年にはコクヨから「ランドセルに入れやすいPC・タブレットケース」が発売されており、2021年3月時点の同社調査では小学生の約半数で端末の持ち帰りが日常化していました。
ただし、これは少し特殊な移行期でもあります。端末の常時持ち運びを十分想定していないランドセルへ、短期間で新しい大型荷物が追加されたからです。
現在はタブレット対応をうたうランドセルも珍しくありません。GIGAスクール開始直後の「入らない」を、現在の容量問題とそのまま同じものとして扱わない方がよさそうです。
では現在も、容量不足を心配した方がいい?
現在販売されているランドセルを見ると、大マチには確かに違いがあります。代表的なモデルでは、だいたい11.5〜13.5cm程度です。
| ブランド・タイプ | 内寸高さ | 内寸横幅 | 大マチ |
|---|---|---|---|
| 土屋鞄 オリジナルモデル | 約31.0cm | 約23.2cm | 約11.5cm |
| フィットちゃん 楽スキッ | 31.0cm | 23.3cm | 12.0cm |
| 中村鞄 | 31.0cm | 23.4cm | 12.3cm |
| セイバン タフベーシック型 | 約31.0cm | 約23.5cm | 約12.5cm |
| フィットちゃん ワイド | 31.0cm | 23.3cm | 13.5cm |
| セイバン タフコンパクト型 | 約32.0cm | 約25.0cm | 約13.5cm |
さらに、セイバンには大マチ約15.5cmまで広がるモデルもあります。
つまり、現在でもランドセルの収納力に差がないわけではありません。では、その差が学校生活でどのくらい問題になるのでしょう。
12cmでも、教科書12冊+ノート3冊が入る
まず、通常の教材です。
フィットちゃんは12cmマチのランドセルについて、実際に荷物を入れた例を公開しています。入れたのは、教科書12冊+ノート3冊。さらに、A4フラットファイルやタブレットも収納しています。
教科書12冊を毎日持ち歩くかどうかは別として、12cmマチでは教材が入らなくて困るという印象とはかなり違います。
現在のランドセルで、教科書、ノート、ファイルといった通常の教材を入れるだけなら、12cm前後でもかなりの量が入ります。
12.5cmでも、水筒や体操服まで入れた実例がある
さらに興味深いのが、セイバンの収納実演です。
約12.5cmマチのタフベーシック型に、タブレット、A4フラットファイル、水筒、上履き、体操服を入れ、さらに教科書やノートも収納した例が公開されています。
もちろん、毎日の荷物量、水筒の大きさ、体操服の厚みによって変わります。
それでも、13.5cmの大容量モデルでなければ、水筒や体操服は入らないというわけではありません。
ここまで見ると、現在の一般的なランドセルなら、通常用途で「小さすぎる」ことを過度に心配する必要はなさそうという印象になります。
それでも、マチ1〜2cmの違いには意味がある
では、12cmと13.5cmの差は意味がないのでしょうか。そうでもありません。
分かりやすいのが、フィットちゃんの12cmと13.5cmです。どちらも高さ31cm、横幅23.3cmで、大マチだけが違います。
これを単純な直方体として計算すると、12cmなら約8.7L相当、13.5cmなら約9.8L相当。差は約1.1Lです。
もちろん、ランドセル内部は完全な直方体ではありません。これは実容量ではなく、あくまで寸法差をイメージするための試算です。
それでも、「たった1.5cm」が、箱全体では1L前後の差になると考えると、完全に無視できる差でもありません。
問題は、その1Lを何に使うかです。
500mlの水筒を入れると、容量差の意味が分かりやすい
たとえば500ml前後のステンレスボトル。市販品では、幅6.5×奥行7.5cmや、幅7×奥行7cmといった製品があります。
ランドセルの大マチが12cm程度だと考えると、水筒は決して小さな荷物ではありません。教材だけなら余裕があるランドセルでも、そこに水筒を追加すると、急に残りの空間が少なくなる。ここで12cmと13.5cmの違いが効いてきます。
ただし、「12cmなら教材5cm+水筒7cm」といった単純計算で、実際に入るかどうかを判断することはできません。水筒の形、教科書の置き方、体操服のように形が変わる荷物、ランドセル内部の形などで、実際の詰め方は変わります。
そのため、寸法だけでなく、メーカーの実収納例も一緒に見る方が分かりやすそうです。
現在の「小さくて困る」は、追加荷物の問題が中心
現在でも、「ランドセルがパンパンになる」という家庭はあります。
2025年にNEXERとララちゃんランドセルが、小学生以上の子どもがいる全国200人を対象に行った調査では、「学校の荷物が収まらないことが多い・まったく収まらない」が22%でした。
ただ、「何が入らないのか」を見ると、体操着・体操着袋、上履き・上履き袋、水筒、給食袋・給食着、図工・音楽の教材などが多く挙げられています。
つまり、現在の容量不足は、教科書やノートだけの問題というより、追加荷物まで全部ランドセルにまとめると足りない場面があると見る方が実態に近そうです。
これは昔のA4フラットファイル問題とは、少し意味が違います。
「ランドセルが小さい」と「全部は入らない」は別だった
たとえば、教科書、ノート、筆箱、A4フラットファイル、タブレットまで普通に入るランドセルがあるとします。
そこへ、水筒、体操服、上履き、給食袋まで全部入れようとしたら、入りきらない。
これは、ランドセルとして小さすぎるのでしょうか。それとも、追加荷物まですべて収納するには足りないのでしょうか。
この二つは分けた方がよさそうです。
現在の一般的なランドセルなら、必要な教材が入ること自体は、以前よりかなり問題になりにくくなっています。容量差を見る意味が出るのは、その先をどこまでランドセルに入れたいかです。
大容量は「普通の日のため」より「荷物が多い日の余裕」
13.5cmや、それ以上の大容量モデルには、もちろん意味があります。
特に、週初め、週末、学期末、体操服を持っていく日、水筒も中に入れたい日などです。
荷物が多い日に、「あと少し入れば手提げを一つ減らせる」という場面では、1〜2cmの差が効いてきます。
つまり大容量は、普段の教材が入らないから必要というより、荷物が多い日に余裕があることが価値になっています。
13.5cmなら全部入る、でもない
一方、13.5cmを選べば手提げが不要になるとも限りません。
水筒、体操服、上履き、給食袋、タブレット、図工や音楽の教材。学校の荷物には、そもそもランドセルだけですべて運ぶことを想定しにくいものもあります。
1〜2cmマチを広げれば、入れやすくなるものは増えます。でも、「全部入る容量」の終点はありません。
だから、一番大きなランドセルを探すことを目標にする必要はなさそうです。
それなら、容量はあまり気にしなくていい?
今回調べた範囲では、多くの家庭では、容量をそこまで神経質に比べなくてもよさそうです。
現在の一般的な市販ランドセルなら、教科書、ノート、一般的なA4フラットファイルなどの通常教材を入れるために、11.5cmか12.5cmか13.5cmかを細かく比較しないと困るというほどではなさそうです。
12cm前後でも、かなりの教材を収納した実例があります。12.5cmでは、水筒や体操服まで一緒に入れた実演もありました。
大マチの違いが意味を持つのは、教材に加えて、水筒や体操服までどこまでランドセルにまとめたいかという場面です。
つまり、容量は「足りるかどうか」を心配するより、「どこまで余裕がほしいか」で考える。そのくらいでよさそうです。
容量について確認するなら、まず2つ
A4フラットファイルが入るか
現在はかなり一般的ですが、最低限ここを確認します。
ただし、「A4フラットファイル対応」=A4サイズのファイルなら何でも入るという意味ではありません。
ランドセルで一般に想定されるのは、プリントへ2つ穴を開けて綴じる横幅約23cmのA4フラットファイルです。
一方、穴を開けずレバーで挟むタイプなどには、横幅23.7cmや23.5cm程度ある大きめのA4ファイルもあります。A4フラットファイル対応ランドセルでも、こうした大きめのファイルではモデルによって入れにくかったり、収まらなかったりする場合があります。
学校で指定ファイルがあるなら、「A4フラットファイル対応」という表記だけでなく、ファイルの外寸とランドセルの内寸を比べるのが確実です。
タブレットはケース込みで入るか
こちらは学校差があります。
「タブレット対応」と書かれていても、学校指定の大型ケースまで含めた寸法とは限りません。端末が分かっているなら、タブレット本体+ケースで確認する方が、大マチを1cm比較するより実用的です。
そして、水筒や体操服までランドセルに入れて、できるだけ手提げを減らしたいという家庭なら、大マチ13cm台以上を積極的に比べる意味があります。
容量が足りるなら、次は「どう入れるか」
ここまで調べてみると、大マチについては、多くの家庭でそれほど神経質にならなくてもよさそうでした。
でも、ランドセルの収納にはもう一つ気になるところがあります。小マチや前ポケットです。
筆箱をどこへ入れるのか。ハンカチや鍵をどこへしまうのか。給食袋を分けて入れられるのか。こうした毎日の使い勝手は、大マチの容量とは少し違います。
整理すると、「量が足りるか」は大マチ。 「どう分けて入れられるか」は小マチや前ポケットなどの付属収納。と考えると分かりやすそうです。
今回の記事では、大マチまでを見ました。
次は、小マチや前ポケットはメーカーによってどのくらい違うのか。実際には何を入れるために使うのか。を改めて調べてみます。
→ ランドセルのポケットは何が違う?|小マチ・前ポケット・拡張収納を比べてみた
※公開後に内部リンクを設定
ランドセル容量のしるべ
ランドセルを比べてみると、大マチには確かに差がありました。11.5cm、12cm、12.5cm、13.5cm。さらに、それ以上まで広がるモデルもあります。
数字だけを見ると、大きい方が安心に見えます。
でも、ランドセルの歴史と実際の収納例まで確認すると、少し違いました。
昔は、A4フラットファイルそのものが入らない問題がありました。GIGAスクール開始期には、タブレットや保護ケースという新しい荷物も加わりました。
現在は、通常の教材が入るかどうかについては、以前ほど容量を心配しなくてもよさそうです。12cm前後でも教材はかなり入り、12.5cmでも水筒や体操服まで入れた実例があります。
現在、容量差が意味を持つのは、教材に加えて、何をランドセルに入れたいか。そこです。
確認するなら、一般的なA4フラットファイルが入る。 タブレットを持ち運ぶなら、ケース込みで入る。まずはこの二つ。
そして、水筒や体操服まで中に入れて、できるだけ手提げを減らしたい。そんな家庭なら、大容量を積極的に比べる。
一方、容量が十分なら、次に気になるのは、「どれだけ入るか」より、「どう分けて入れられるか」。小マチや前ポケットなどの付属収納は、次の記事で詳しく見ていきます。
ランドセルの容量は、「何cmが正解か」を探すより、「どこまでランドセル一つにまとめたいか」を決める。
調べてみると、その方がずっと分かりやすい選び方でした。

