ランドセルを探し始めると、かなり早い段階で気になるのが「結局、いくらくらいするの?」ということです。
調べてみると、「平均6万円台」という数字はよく出てきます。
では、6万円くらいを予算にしておけばいいのでしょうか。
2027年度モデルの価格を実際に並べてみると、話はもう少し複雑でした。
4万円台から選べるメーカーがある一方で、7~9万円台を中心とするブランドもあります。10万円を超えるモデルも珍しくなく、コードバンなどでは20万円、30万円を超えるものまであります。
ただし、これは「高いランドセルほど良い」という話ではありません。
そもそも「平均購入額」と「売られているランドセルの価格」は、似ているようで別の数字です。
今回は「平均はいくら?」だけではなく、価格帯ごとにどんなランドセルがあるのかまで見ていきます。
この記事でわかること
- ランドセルを実際にいくらで買っているのか
- 2027年度モデルにはどのくらいの価格幅があるのか
- 4万円台まで、5~6万円台、7~9万円台、10万円以上では選択肢がどう変わるのか
- ランドセルの価格差は何から生まれるのか
- 自分たちの予算をどう考えればいいのか
この記事の調べ方
ランドセル工業会の購入実態調査を確認したうえで、2027年度モデルを販売しているメーカー・工房・ブランドの公式情報から価格を確認しました。
価格を見るときは、早割や期間限定セールがある商品について、通常価格と割引後の価格を分けて整理しています。
2028年度モデルはまだ価格が出そろっていないため、この記事では2027年度モデルを「現在確認できる価格」として使います。
確認日:2026年10月1日
まず、実際にはいくらで買っている?
ランドセル工業会の2026年調査では、新品ランドセルの平均購入金額は62,034円でした。
価格帯を見ると、65,000円以上で購入した人は46.0%です。
「平均は約6.2万円」と聞くと、6万円前後の商品が中心なのかなと思います。
ここで見ておきたいのが、平均購入額は「家庭が実際に支払った金額」だということです。
一方、これからランドセルを探すときに目にするのは、「現在どんな商品が、いくらで売られているか」。
似ているようで、少し役割の違う数字です。
そこで2027年度モデルの価格を実際に見てみました。
2027年度モデルを見てみると、価格の幅はかなり広い
各社の公式情報を確認していくと、3万円台後半の商品も一部にあり、4万円台にも選択肢があります。
5~6万円台には大手メーカーを中心に多くの商品があり、7~9万円台になると工房系や牛革、デザインに特徴のあるブランドなども増えてきます。
10万円を超えると、コードバンなどの天然皮革や、ブランド独自の仕様を持つ商品も目立つようになります。
さらに上を見ると、20万円、30万円を超えるモデルもあります。
ランドセルの価格は一本道というより、価格帯ごとに少しずつ選択肢の種類が増えていくと考えるとわかりやすそうです。
4万円台まで|価格を抑えながら選べるランドセルもある
今回調べた2027年度モデルには、4万円台から購入できるランドセルもありました。
さらに一部を見ると、GAPには36,300円のモデルもあります。
この価格帯では人工皮革などを使ったモデルが中心で、大手メーカーや量販型・ファッション系ブランドの一部に選択肢があります。
「ランドセルは6万円以上するもの」と考えていた人にとっては、最初に知っておきたい価格帯です。
価格を抑えたい家庭にとっては、まずこのあたりから商品を見てみることで、必要な機能やデザインが十分かどうかを確認できます。
そこで希望するものが見つかれば、無理に上の価格帯まで広げる必要はありません。
5~6万円台|選択肢がぐっと増える
5~6万円台になると、選べるモデルがかなり増えてきます。
セイバン、フィットちゃん、ふわりぃ、カザマなど、大手・主要メーカーにもこの価格帯の商品があります。
素材は人工皮革が中心で、軽さ、収納力、背負いやすさ、安全性など、各社がそれぞれ特徴を持たせています。
平均購入額の約6.2万円にも近く、ランドセル市場の中で多くの家庭が現実的に検討しやすい価格帯といえそうです。
「まずランドセルを見てみよう」というときには、このあたりを起点にすると市場全体の感覚をつかみやすくなります。
7~9万円台|選べる「方向」が増えてくる
7~9万円台になると、単純に商品の数が増えるというより、選択肢の性格が広がってきます。
大手メーカーの上位モデル。
工房系ランドセル。
牛革を使ったモデル。
デザインやブランドの世界観を強く打ち出したランドセル。
同じ8万円前後でも、「なぜその価格なのか」が商品によってかなり違います。
素材にコストをかけているものもあれば、製法や機能、デザイン、ブランド独自の仕様に力を入れているものもあります。
この価格帯からは、金額そのものよりも自分たちが何を重視するのかが選び方に影響してきます。
10万円以上|素材もブランドも、さらに幅が広がる
10万円を超える価格帯では、牛革やコードバンといった天然皮革の商品が増えてきます。
工房系のコードバンランドセルでは10万円を大きく超えるものもあり、さらに高価格な総コードバンなどもあります。
一方で、10万円を超える理由は天然皮革だけではありません。
たとえばファッションブランドや独自デザインを持つランドセルでは、人工皮革でも10万円前後になる商品があります。
ここまで見てくると、素材は価格を左右する大きな要素のひとつ。そこに製法、機能、デザイン、ブランドなどが重なって価格が決まるという姿が見えてきます。
主要ブランドの2027年度価格を並べてみる
ここまで見てきた価格帯を、実際のブランドに当てはめてみます。
前の記事でカタログ受付状況を確認したメーカー・ブランドを基本に、2027年度モデルの通常税込価格を整理しました。土屋鞄・grirose・depsoaは前の記事ではまとめて掲載していますが、価格帯が異なるため、ここではブランドごとに分けています。
表は確認できた最低価格が低い順です。順位ではなく、どの価格帯から選択肢が出てくるのかを見るための並びです。
| ブランド | 2027年度・通常価格の確認範囲 | 主な特徴・素材 |
|---|---|---|
| GAP | 36,300~59,400円 | 人工皮革・ファッションブランド |
| ふわりぃ | 43,780~77,000円 | 人工皮革中心 |
| 池田屋 | 49,000~120,000円 | 人工皮革・牛革・コードバン |
| サンポケット | 49,800~59,400円※ | 人工皮革中心 |
| セイバン(天使のはね) | 50,600~99,000円 | 人工皮革・牛革・コードバン |
| カザマランドセル | 52,800~83,000円 | 人工皮革中心・コラボモデルあり |
| 神田屋ランドセル | 53,000~79,000円 | 人工皮革中心 |
| フィットちゃん | 55,000~81,950円 | 人工皮革中心・確認済み範囲 |
| ララちゃん | 55,000~92,400円※ | 人工皮革中心・コラボモデルあり |
| カバンのフジタ | 59,950~121,000円 | 人工皮革・牛革・コードバン |
| キッズアミ | 60,500~121,000円 | 人工皮革・天然皮革など |
| 中村鞄製作所 | 63,800~107,800円 | 人工皮革・牛革・コードバン |
| 羽倉 | 63,800~138,600円 | 人工皮革・牛革・コードバン |
| MOGI | 63,800~139,700円 | 人工皮革・牛革・コードバン |
| 地球NASAランドセル | 64,900~97,900円 | 人工皮革中心・コラボモデルあり |
| くるピタ | 68,200~82,500円※ | 人工皮革中心・取扱店の通常価格で確認 |
| depsoa | 69,000~79,000円 | 軽量モデルなど |
| +CEL | 69,300~93,500円 | 人工皮革・PLAIN/NOBLE/ARTISAN |
| 萬勇鞄 | 69,300~86,900円 | 人工皮革・牛革ハイブリッドなど |
| LIRICO | 69,300~90,200円 | デザイン性の高い複数シリーズ |
| MARY QUANT | 69,300~93,500円 | ファッションブランド |
| 村瀬鞄行 | 69,300~148,500円 | 人工皮革・牛革・コードバン |
| 大峽製鞄 | 69,300~220,000円 | 軽量モデル・牛革・コードバン |
| ARTIFACT | 73,700~77,000円 | 人工皮革・デザイン系 |
| 生田ランドセル | 74,800~110,000円 | 牛革中心・コードバン使用モデルあり |
| petit main | 74,800~79,200円 | ファッション・デザイン系 |
| 土屋鞄 | 75,000~190,000円 | 人工皮革・牛革・コードバンなど |
| 鞄工房山本 | 75,900~260,000円 | 人工皮革・牛革・コードバン |
| 黒川鞄工房 | 78,000~398,000円 | 人工皮革・牛革・コードバンなど |
| grirose | 79,000~85,000円 | 人工皮革・デザイン系 |
| PAUL & JOE | 82,500~99,000円 | ファッションブランド |
| DIESEL | 82,500~99,000円 | ファッションブランド |
| ファミリア | 99,000~129,800円 | 軽量モデル・人工皮革・牛革 |
| Q-pot. | 104,500~121,000円 | デザイン・コラボモデル |
| ミキハウス | 110,000~330,000円 | 人工皮革・牛革・コードバン |
※価格は2026年10月1日時点で確認した2027年度モデルの税込通常価格。完売・受付終了となったモデルを含む場合があります。
※「確認範囲」は全カラー・全販売チャネルを網羅した価格統計ではなく、公式情報で確認できた2027年度モデルを基本にしています。
※サンポケットは公式楽天店、ララちゃんはメーカー公式発表と取扱店、くるピタは取扱店の2027年度通常価格を補助的に使っています。公式サイトで早割・特別価格だけが表示されている場合、その割引価格を通常価格としては扱っていません。
こうして最低価格順に並べると、平均購入額の約6.2万円がランドセル市場の中でどのあたりに位置するのかも見えやすくなります。
3~4万円台から選択肢があるブランドもあれば、最も手頃なモデルでも7万円台、8万円台、10万円台から始まるブランドもあります。
もう一つ目につくのが、「安い価格から始まるブランド=高価格モデルがない」とは限らないことです。
たとえば池田屋は4万円台から12万円、カバンのフジタは5万円台から12.1万円、大峽製鞄は6万円台から22万円まで確認できます。
反対に、griroseやARTIFACTのように、確認したラインアップが比較的狭い価格帯にまとまっているブランドもあります。
ブランド名だけで予算を決めるより、気になるブランドの中でどの素材・シリーズ・仕様を選ぶかまで見た方が、実際に必要な予算をつかみやすそうです。
では、高いランドセルは何が違う?
価格調査を通して見えてきたのは、値段が上がる理由が一つではないことでした。
素材、製法、縫製や仕立て、機能、デザイン、ブランド独自仕様、限定性などが組み合わさっています。
「5万円より8万円の方が2万円分丈夫」
「10万円なら6万円より背負いやすい」
という単純な比較はできません。
むしろ価格が上がるほど、何にお金をかけているランドセルなのかを見る必要があると考えた方がよさそうです。
「平均6万円台」なら、予算も6万円でいい?
平均購入額は、予算を考えるための参考にはなります。
でも、それだけで予算を決める必要はありません。
まず5~6万円台の商品を見て、必要な機能や気に入ったデザインが見つかれば、それ以上の予算を用意する理由はありません。
逆に、牛革や特定の工房、デザイン、ブランドなどを希望するなら、7~9万円台、あるいは10万円以上まで見た方が選択肢は広がります。
平均額から予算を決めるというより、
「何を選びたいかを決めると、必要な価格帯が見えてくる」
という順番の方が、今回調べた実際の商品構成には合っていました。
ランドセル価格のしるべ
ランドセルの平均購入額は約6.2万円。
それは「6万円のランドセルを選べば間違いない」という意味ではありません。
実際の商品を見てみると、3万円台後半の例もあり、4万円台にも選択肢があります。5~6万円台では選べるモデルが増え、7~9万円台では商品の性格が大きく広がります。10万円以上になると、天然皮革やプレミアム仕様なども増えてきます。
そして、価格差を素材だけで説明することもできません。
予算を考えるときは、
平均はいくらか
→ 自分たちが欲しい条件は何か
→ その条件の商品はいくらくらいか
の順で考える。
これが、いまのランドセル価格を調べてみて見えてきた、一番わかりやすい考え方でした。
