冬、暖房を入れているのに窓の近くが寒い。
夏、窓際だけ妙に暑い。
結露も気になる。
そんなとき、候補に出てくるのが窓リフォームです。
2026年は国の「先進的窓リノベ2026事業」もあり、窓の断熱改修はかなり目につきやすくなっています。
では、窓だけ直せば家は暖かく、涼しくなるのか。
結論からいうと、
窓だけでも改善する余地はあります。 ただし、「必ず室温が○℃変わる」とは言えません。
元の窓、窓の大きさ、壁・床・天井の断熱、気密、暖冷房の使い方で変わるからです。
この記事でわかること
- 窓リフォームが寒さ・暑さ対策として有力な理由
- 内窓・ガラス交換・外窓交換の違い
- 「窓だけで十分か」を考える条件
この記事の調べ方
先進的窓リノベ2026事業、日本サステナブル建築協会の断熱改修研究、LIXIL・YKK APの現行窓リフォーム情報を確認しています。
研究結果は「窓だけ変えれば何℃上がる」と保証するものではありません。また、メーカーの冷暖房費シミュレーションや体験談は特定条件の参考値として扱い、一般化していません。
確認日:2026年9月25日
なぜ「まず窓」が候補になるのか
窓は、壁のように断熱材を入れた部分とは違い、ガラスやサッシを通じて外気の影響を受けやすい場所です。
住宅省エネ2026キャンペーンでも、既存住宅の開口部断熱が重点的に支援されています。
特に、
- アルミサッシ
- 単板ガラス
- 大きな掃き出し窓
- 窓際の冷え・暑さが強い部屋
では、窓を変えると体感が変わる余地があります。
ただし、家全体の寒さの原因が窓だけとは限りません。
床が冷たい。
天井から熱が逃げる。
すき間風がある。
こういう場合は、窓だけでは残る問題もあります。
窓リフォームは、まず3つに分ける
主な方法はこの3つです。
| 方法 | 何をする? | 特徴 |
|---|---|---|
| ガラス交換 | サッシを残してガラスを交換 | 条件が合えば工事範囲が小さい |
| 内窓 | 今の窓の室内側にもう1枚つける | 既存窓を残しやすい |
| 外窓交換 | 既存窓そのものを高断熱窓へ交換 | 窓全体を更新できる |
このほか、条件によってドア交換も補助対象になります。
一番手軽に見えやすいのが内窓です。
LIXIL、YKK APはいずれも、内窓の施工時間を1窓あたり約60分の目安として案内しています。
ただし、窓サイズや納まり、現場条件で変わります。
窓リフォームのしるべ
工事を小さくしたい → 内窓を候補に
窓枠ごと古い・傷みがある → 外窓交換も確認
サッシは残したい → ガラス交換が可能か確認
窓際以外も寒い → 壁・床・天井・気密も一緒に考える
内窓は「今ある窓との間に空気層をつくる」
内窓は、既存の窓の室内側にもう一つ窓を付けます。
窓と窓の間に空気層ができ、外気の影響を受けにくくします。
既存窓を大きく壊さずに施工できるため、工事時間を短くしやすいのが特徴です。
一方で、
- 窓を2回開ける必要がある
- 窓枠に取り付けスペースが必要
- 出窓などは納まりの確認が必要
といった点もあります。
「内窓が一番いい」ではなく、自宅の窓に納まるかを先に見ます。
研究でも、断熱性能が高いほど室温改善が大きい傾向
日本サステナブル建築協会の2025年研究資料では、窓だけを改修した住宅も含め、改修後の断熱性能が高いほど、居間の室温上昇量が大きくなる関係が分析されています。
ここから、
窓断熱を改善すると温熱環境が良くなる余地がある
ことは読み取れます。
ただし、
「内窓を付ければ必ず3℃上がる」
のような固定値にはできません。
元の住宅性能や暖房条件が違うからです。
窓だけで十分かは、4つを見る
窓リフォームだけで満足できるかは、少なくとも次の4つで考えます。
1. 今の窓
単板ガラス+アルミサッシなのか。
すでに複層ガラス・樹脂サッシなのか。
元の性能が低いほど、改善余地は大きくなりやすいです。
2. 窓の大きさ・数
大きな窓が何枚もある部屋と、小窓1つの部屋では影響が違います。
3. 家のほかの部分
壁、床、天井、気密。
窓だけ良くしても、ほかの部分から熱が大きく逃げていれば限界があります。
4. 困っている場所
家全体ではなく、
「リビングの大きな窓の近くが寒い」
なら、窓だけでも狙いがはっきりしています。
反対に、
「家中どこでも寒い」
なら、家全体の断熱状態を見た方がよさそうです。
健康への効果は「窓だけ」とは言わない
国土交通省が支援した断熱改修の研究では、改修後の室温上昇と血圧などの健康指標との関連が報告されています。
ただし、これは住宅の断熱改修全般を扱った研究です。
窓だけ替えれば健康になる
という証明ではありません。
窓リフォームの記事では、
「寒い部屋の温熱環境を改善する選択肢」
までに留めるのが適切です。
2026年は窓の補助制度が大きい
先進的窓リノベ2026事業では、既存住宅の
- ガラス交換
- 内窓設置
- 外窓交換
- 条件を満たすドア交換
などが対象です。
住宅は1戸あたり補助上限100万円。
一般消費者が直接申請するのではなく、登録された窓リノベ事業者が手続きを行います。
公式サイトでは、2026年9月21日時点の補助金申請額は予算の25%と案内されています。
予約は遅くとも11月16日、交付申請は遅くとも12月31日までですが、予算上限に達すれば早く終了します。
ここは変わる情報なので、使う直前に必ず公式サイトを再確認したいところです。
価格は「1窓いくら」だけで決めにくい
窓リフォームの価格は、
- 窓サイズ
- ガラス性能
- 窓種類
- 内窓か外窓か
- ふかし枠などの追加部材
- 現場の納まり
- 施工店
で変わります。
YKK APも、販売価格は住居状況・仕様・窓やガラスの種類、販売店によって変わると案内しています。
なので記事で一つの「相場」を固定するより、
同じ窓条件で2~3社の見積を取る。 そのうえで補助後の自己負担を見る。
方が実際の判断には使いやすそうです。
窓は有力な第一歩。でも「家全体が解決」とは考えない
窓際が寒い。
大きな窓から日差しが入って暑い。
結露が多い。
こういう困り方なら、窓リフォームはかなり分かりやすい候補です。
内窓なら、1窓あたり約60分という施工目安を案内しているメーカーもあります。
一方で、家全体の断熱が弱ければ、窓だけでは残る寒さ・暑さもあります。
なので、
どの部屋の、どの窓で困っているのか。 今の窓はどんな仕様なのか。 窓以外にも問題がありそうか。
ここを確認してから工法を選ぶ。
窓リフォームは「家全体の万能解決」ではなく、
困っている場所から始めやすい断熱改修の一つ
と考えるのがよさそうです。
